2020.10.09|会長ブログ

良き友、三つあり、友とするに悪しき者、七つあり

 

こんにちは! 本多建設の本多和彦です。

 

朝日新聞で毎週水曜日の文芸欄に、

ピーター・J・マクミランというアイルランド生まれで、

「百人一首」や「伊勢物語」などを英訳して、

日本とアメリカで翻訳賞を受賞した人のコーナーがあります。

「詩歌奔遊」という題で、日本の古典の俳句や詩歌を英訳しているのを時々見ています。

9月30日の新聞に、松尾芭蕉の「笈の日記」から、

「米くるる友を今宵の月の客」を英訳したのが

「I enjoy with my friend,-who brought me rice,-the exquisite fullmoon of this night.」

*注-exquisite・・・この上もなく美しい

 

芭蕉にたいして日頃の支援への感謝と親愛の情をユ-モアたっぷりに伝えている。

「良き友」と名月をともに愛でることができた

かけがいのない喜びが重ねあわされている。と、書いてあります。

 

これには、徒然草の117段に

「良き友三つあり、一つには物くるる友」とあり、これを踏まえて句ができたとあります。

私はいずれも初めて見た句であり、徒然草の文章でしたので、

この英訳もなんとなくわかったのですが、

それより、117段の「良き友・・・」に惹かれ、

確か我が本棚に買っておいた徒然草の本があったはずと、探してみたら、

そう古くもない本が棚の片隅にありました。

 

早速、117段読んでみました。面白いもんですねー!

吉田兼好という人の人間通には驚きます。

そしてクスッと笑っちゃいますね。

「友とするに悪しき者、七つあり。

一つには、身分が高く住む世界が違う人。

二つには、青二才。

三つには、病気をせず丈夫な人。

四つには、飲んだくれ。

五つには、血の気が多く、けんかっぱやい人

六つには。嘘つき。

七つには、欲張り。

 

良き友、三つあり。

一つには、物をくれる人。

二つには、医者。

三つには、賢い人。」

 

『悪しき者、七つあり』はなるほど、なるほどとわかります。

『良き友、三つあり』は、ふーん?となりませんか。たとえそれが本心でも。

 

ペン
この記事を書いたのは私です。
本多和彦会長